2021年09月24日

レクイエム

皆さん、こんにちは。
堤防が曼殊沙華の花で紅に染まる季節となりました。
めっきり過ごしやすくなりましたが、それでも時折強い日差しは肌を刺します。
陽が落ちると、漆黒の闇にぽっかり穴をあけたような月は、周りの景色をぼんやりと浮き出たせます。虫たちは、去り行く季節を惜しむかのように、か細い声ですすり泣き、ノクターンを奏でます。

NHK大河ドラマ「青天を衝け」では、幕末・維新の激動の時代を生きた渋沢栄一を中心に物語が展開されています。
栄一は一橋家、後に15代将軍となる徳川慶喜に仕えることとなります。そして、この時代を語るうえで欠かすことができないのが「高須四兄弟」です。
美濃の国・高須藩(現在の海津市)松平家三万石の第十代藩主・松平義建(よしたつ)の子として幕末に生まれた兄弟のうち、二男の慶勝(よしかつ)は御三家筆頭の尾張徳川家、五男の茂栄(もちはる)は御三卿の一橋徳川家、七男の容保(かたもり)は会津松平家、八男の定敬(さだあき)は桑名松平家の養子となりました。
尾張藩を継ぎ、明治新政府に与した徳川慶勝、明治維新の際、徳川家を代表して新政府との交渉にあたった一橋茂栄、新政府軍に徹底抗戦した松平容保、松平定敬。
 それぞれ、波乱の人生を送ることとなります。

虫たちの合奏は、これら先人へのレクイエムかも知れませんね。

(M)

2021年09月24日 10:24