2007年05月11日

母の日に想う

 今度の日曜日は、母の日です。皆さんはもう何かプレゼントを考えてみえますか?
私の母はもう高齢(75歳以上)なのですが、4年前に軽い脳梗塞を起こし、それ以来、軽い認知症になりました。それまではよく口喧嘩をしましたが、今ではそれも出来ません。母の人格が失われ「怒り」という感情が不思議と消えたのです。こちらがいくら怒っていても糠に釘で相手になってこないのです。親子喧嘩も親孝行の内かも・・なーんて思い、喧嘩が出来た昔が偲ぶばれます。皆さんも大いに親子喧嘩をして下さい(^o^)。喧嘩の出来る年月って案外短いものかもしれません。そして子供の存在それ自体が親にとっては、何よりのプレゼントなんだと思います。
 芥川龍之介の杜子春という小説を読まれた事はありますか?杜子春は、仙人になる為に仙人に弟子入りして、数々の修行をするのですが、如何なる場面に出くわしても絶対に声を発っしてはならないと戒められるのです。猛獣の出現や雷にうたれても無言で耐えたのですが、最後に自分の母親が鞭で打たれる姿をみて、ついに「お母さん!」と叫ぶのです。そこで仙人が現れて「お前がこのまま黙っていたら、わしはお前を殺していただろう。」と言うのです。この話は子が親を思う理想の姿ですね。親子の情とは正にこのようにありたいものだと思います。人情が希薄になりつつある昨今、人のあるべき本来の原点に戻らせてくれます。母の日に当たり、なかなか正面きって「ありがとう」とは言い憎いものですが、心が通じ合っていれば判り合えますよね。どうか親子仲良くハッピーな母の日をお過ごし下さい。

2007年05月11日 08:53